った証券仲介業。
株式や社債の購入を希望する個人や企業を証券会社に取り次ぐ。
そこでも異変が起きている。
MS 銀が獲得する個人の証券口座数は1店舗あたり1日1、2件。
決して多くないが、N 証券の3倍の約400店舗で一斉に口座獲得を進めた結果、開始から1カ月の新規口座獲得数は8000件と N に迫る勢いだ。
約5000人の銀行員は証券外務員の資格を取得し、「債券販売部隊」に変身した。
ドル建て債券を1カ月で300億円さばいた。
個人業務部戦略企画グループは「想定通りの成果」と胸を張る。
N が04年2月に販売を始めた「世界好配当株投信」は、ちょっとした工夫を施した商品だ。
株式投信といえば年1、2回の決算が中心だが、毎月払う定期預金の利息とまではいかないものの、運用が順調なら年4回分配金が出るようにしたのが最大の特徴。
毎月分配型で高い人気の「G・B」を意識したもので、販売1カ月で純資産残高が1000億円を超えた。
N の投資信託部の K は「投資家ニーズに合った商品を素早く投入できるのは証券会社の強みだ」と語り、銀行への対抗心をのぞかせる。
証券と保険業界が「銀行に先手を打つ」と共同戦線を組んだ例も出ている。
N コーディアル証券がK・S 生命保険と手を組み、加入時に医師の診査を義務づける本格的な死亡保障保険の取り扱いを始めた。
保険窓販は銀行には厳しい規制があり、死亡保障保険はまだ扱えない。
だが、証券会社の方は制限がない。
そんな規制のすき間を活用できれば、ビジネスチャンスは広がる。
「とにかく顧客開拓でリードしたい」と保険ビジネス部長の K は意欲満々だ。
ただ、銀行の攻勢に脅威を抱く証券会社も少なくない。
「証券仲介業で提携しませんか。
うちの支店を閉めてもかまいません」04年春、銀行の証券仲介業解禁を控え、ある大手証券が東北地方の有力地銀にこんな提案をした。
地域の有力者にくまなく食い込む地元地銀に注文を取り次いでもらえるなら、支店廃止をも辞さないという名を捨てて実を取る戦略だった。
結局、地銀側がためらって構想は立ち消えになった模様だが、証券会社の地銀店舗網への渇望はこれほどまでに強い。
それだけではない。
証券会社は金融機関以外の異業種とも提携の輪を広げ、大手銀に対抗しようと目論む。
N コーディァル証券はインターネット最大手の Y 、コンビ二エンスストア大手の R 、不動産関連の K 不動産投資顧問、大手保険代理店の A サービス、投資情報提供サービスのGCサービスなど広範囲の業種と証券仲介業で手を組んだ。
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